絵作りには基本となる考え方がいくつかあるのでそれらを紹介していきます。
対比関係
映画のシーンやゲームのいちロケーション 一枚の絵 どの媒体においても共通するのが、画面に映ってるすべてのものは対比の関係にあるというところです。
画面に 一つのアセットを配置し、もう一つオブジェクトが配置されたとき そのアセットの大きさ 色 形状 その画面に映るものの意味や関係が決まってきます。
この図をみると、高と低のバーが近づけば近づくほどお互いの高い低いの差が際立つのがわかりますよね。 対比関係の美術の基礎的な部分です。
高さを見せたいアセットがあるときはより低くみえるものを比較対象として近づけたり重ねたりすると 高さや大きさを表現しやすくなります。
形状の傾向
世の中を見渡すと多くのものは 〇 △ □ の形とその組み合わせでできてることがわかると思います。 この 〇 △ □ の形状にはそれぞれ特性があり
〇はやわらかいイメージ
△は鋭いイメージ
□は安定感のあるイメージ
一軒家で例えると端的に表れてるのがわかります。 四角いヘーベルハウスと三角の多い家 丸い屋根の家 見た目の印象が形状から感じ取れるのがわかりますか?
デザインの中では 〇 △ □ の形状はプリミティブといわれこれらを組み合わせて使うことが普通ですが 形状の傾向を意識して △を多めにつかうか 〇を多くつかって印象をやわらかくもっていくかで受けての印象をコントロールしましょう。
たとえば悪の帝国の印象を持たせたい戦艦は△を多めにつかって強く見せるとか。 逆に弱そうに見せるマシンを丸くつくるなど。
基本形状の性質を理解してデザインをすると 四角いロゴだけど すこしやらわかいイメージにしたいから 角はすこしまるくしてみる とか、斜塔を多く準備し、安定感のある四角に配置して重厚感と強さを表現する などの判断を基本形状の性質から決めていくアプローチができるようになります。
色の決め方
屋外の背景ではまず大気の色から決めるのが定石です。 朝 日中 夕方 夜 から大まかな情景を設定して そこから色を決めます。 大気の色はアセット全体にかかるため、アセットの固有色に重なるように色が混ざります。 なので基軸となる色を決めてから他のアセットの色を決めていかないと 色の調整が難解になるので先に大気の色をきめてしまいましょう。
基本的にアセット制作の場合 サブスタンスペインターなどではHDRIを置いて作成するのですが なるべく配置するロケーションの設定に近いHDRIを配置してアセット制作を進めないと 色の付け方がわからなくなってしまうので ここはしっかり設定しておきます。
オリジナルアセットで色を決めるのがむずかしいという場合はいくつか指針があるので簡単に紹介します。
- 好きな色味の絵を探してきて、そこからカラーピッカーで中間色のみを抽出して色見本をつくる そこから微調整を加えると色の印象をキープしつつ別のアセットが作れる
- 色相環を利用して相性のいい色を選んで配置していく。PCCS色相環が利用しやすいと感じています。
色に関してはその研究だけで人生が完結しかねないほど深いので、興味がある人は色彩学などで検索して探求してみましょう。
下に色の調整だけでできるアプローチを簡単に紹介します。 詳しくは別記事で扱います。
- 色は大きさをコントロールできる(大小感)
- 色は重さをコントロールできる(軽重感)
- 色は広さをコントロールできる(距離感)
- 色は硬さをコントロールできる(硬軟感)
- 色は派手さをコントロールできる(派手地味感)
密度とスケール
密度をつめることでスケール感をコントロールできます。 大きな構造物などは的確な場所にディティールをつめこむことで大きさを表します。 窓を密集させたり、小さな四角を膨大な数つめてみたり、ライトをたくさんおいてみたりです。
巨大宇宙戦艦なんかのすべてに有効なライトを配置するとレンダリングに時間がかかりすぎたりするのでエミッシブマップなどを利用して点描のようにライトをかきこんで光らせるのも一つの方法です。(密度に関しては別記事で詳しく解説予定です)
まとめ
形や色 スケールの効果を理解して 町やお店にある様々なものを観察してみるとどういう効果があるか どういう対比が存在するか それが効果的に機能してるかどうか見えてくると思います。